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情熱大陸|イケメン職人硯作りの貴公子!青柳貴史


貴史と新聞の番組欄にあり、見逃せないと思った。
筆・墨・硯と聞くと、心ひかれるのです。彼は浅草
の創業80年を越える書道用具店の4代目。日本でた
だ一人の製硯師と名乗る硯職人。

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今まで作った硯は1000個以上、注文を受けて作った
り修理の依頼も引き受ける。書家や日本画家など熱
烈なファンも多い。同じ墨でも硯によって色が違っ
てくるそうだ。

彼の硯はとても使いやすいと言われ人気があるのだ。
硯作りは専用のノミでひたすら削るのである。体力
勝負、肩を支点としてノミを押し出す。

腕には鍼を打った後がいくつも。削ることによって
石の良さを引き出して行く。そこに作家性は必要な
いと言う。

硯の表はなめらか過ぎても粗すぎてもいけない。石
にある鋒鋩という微細な突起、これが均一で程よい
ものが優れた硯の条件なのだそうだ。

最上の硯の上を滑る時、墨は本来の色と粘り気を発
する。石の個性を最大限に生かし、硯の能力を高め
ることが職人の仕事だと言う。

硯になる石を削りながら「おいしそうでしょ。ケー
キみたい。」と言ったり、指で弾いてその音に耳を
すませたり、削った石の粉を指にとり、その感触を
確かめ、香りをきき、時には口に入れて味を確かめ
たりする。

彼の石への、硯への愛は想像を越える。製硯師は石
を求めてどこへでも行く。硯にできる石は年々減り、
材料不足に直面している。中国の石の産地に似てい
ると感じ、北海道へ探しに行く。

地質学研究所の協力を得て、調査に山へ入る。結果、
可能性ありとなり、小さな石を持ち帰る。その石を
お風呂にまで持ち込み矯めつ眇めつ。もう石のとり
こ。どんな硯になるのでしょう。


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県立神奈川近代文学館から珍しい依頼が入る。夏目
漱石が愛用した硯のレプリカを作って欲しいとのこ
と。書画骨董を愛した漱石が、晩年大事にしていた
硯である。

墨が残り、固まっているところもあり元の硯を完全
に復元するというのは難しいことである。漱石がこ
の硯のどこに魅力を感じたのか、そんなことも考え
ながら。

四六時中頭から離れない。削っては手で摩り、撫で、
また削る。それを何度もくり返す。出来上がると最
後に薄墨に硯をまんべんなく浸み込ませる。

それを素手で磨く、油が揉み込まれ光沢を放ち始め
る。硯作りは手で始まり、手で終わるといわれるそ
うだ。

半年をかけ完成された硯は漱石の書斎を再現したス
ペースに収められた。担当者は「しっくりきていま
すね。もう少し浮くのかと思ってましたが、かえっ
てしっくりきています。」と。さすがである。漱石
から御礼状は届かないが。

北海道の鉱脈探しは、大学・企業をまき込み地質学
などのプロジェクトに発展している。これで文化の
衰退に歯止めがかかる。

彼は文化を守ることを天命と知っている。毛筆の文
化は失われつつある。墨をすった事のある子供たち
はどれ程いるのだろうか。

彼は、硯愛で文化の衰退に立ち向かう。

撫でられて 光沢を増す 黒い肌
毛筆文化の 砦とならん


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